おはようございます。
入山彰介の弟子チームです。
僕は最近、考えることがあります。
それは何かというと、
知らないあいだに
いろんなことに慣れて、
それが当たり前のように
感じてしまうことがあります。
常識だったり”当たり前”
っていう言葉です。
ところがそれは、
僕の中の世界観であり、
とらわれた思い込みで
ものごとをみているんじゃないのか
なって考えることがあります。
たとえばこんな感じです。
いま、真っ赤なレンズの
メガネをかけているとします。
そこから見える世界は、
きっとおかしな色になりますよね?
白い壁がピンク色に見えたり、
木々の緑が黒っぽく見えたり、
およそ正確な色を知ることが
できなくなります。
壁や植物の色だけでなく、
信号の色さえわからないのだから、
日常生活にも困ってしまいます。
そんなメガネだったら、
すぐに外してしまいますよね。
でも、、
自分の知らないうちに、
それこそ赤ちゃんのころから
ずっと赤いメガネをかけていたら、
どうなるんでしょうかね?
・・・・・・・
そう、
たぶん自分が赤いレンズを通して
世界を眺めていることに気づかないまま、
ほんとうの赤や青や黄色を知らないまま、
「世界はこんな色なんだ」
と思い込んでしまうはずです。
こうした「思い込み」から
抜け出さないと、
世界を正しく眺めること、
世の中のウソにだまされること
になってしまいます。
で、
人間には4つの「思い込み」が
あると唱えた人がいます。
「知は力なり」
という言葉を残した
フランシス・ベーコンという
イギリスの哲学者です。
ベーコンは、
「知識とはなにか?」という
問いに対して、
「力だ」と断言しています。
人類を前進させ、未来を変える、
圧倒的な「力」なのだと。
学問の目標は、
地位や名声を得ることでも、
威張ることでも、
誰かを言いまかすことでもない。
ほんとうの目標は、
人類の未来を変えるような、
発明と発見にあるのだ。
それが「力だ」
と言っているんですね。
そんな彼が恐れたことは、
人間がおちいる「思い込み」の罠
だったわけなんです。
では、
僕たちがおちいる4つの
「思い込み」とはなにか?
彼はそれをイドラと呼んでいます。
1、人間の思い込み(種族のイドラ)
2、個人の思い込み(洞窟のイドラ)
3、言葉の思い込み(市場のイドラ)
4、権威の思い込み(劇場のイドラ)
です。
では、それぞれ説明しますね。
1、人間の思い込み(種族のイドラ)
これは文字通り
「種族が原因で引き起こされる思い込み」
です。
僕たちの種族は人間です。
人間は身体的な特徴、
あるいは脳のしくみなどによって、
なにかを知るうえでさまざまな
制約を受けています。
こうした「人間であること」
に基づく思い込みのことです。
人間が本来もっている感覚や
精神の制約から生じる
錯覚・偏見などです。
人間という種族に共通する感覚や
精神に基づくため、こう呼ばれます。
例:遠くにあるものが小さく見えること
2、個人の思い込み(洞窟のイドラ)
僕たちはそれぞれ自分だけの
人格をもっていて、
個性がさまざま違います。
生まれた場所も、育った環境も、
趣味も、好きな芸能人も、
それぞれ違います。
でも、この「みんな違う」という
事実を頭に入れておかないと、
おかしなことになります。
「僕はこう思う。だからこれは、
みんなにとっても正しいはずだ」
って、自分勝手な判断を
してしまうんですよね。
個々の人間の性質、環境など、
個人の立場にとらわれることで生じる
偏見のことを言います。
洞窟に閉じ込められ、
外の世界を正しく知ることが
できない状態に例えてこう呼ばれます。
例:自分がそうだから、
みんなもそうだと思い込むこと
3、言葉の思い込み(市場のイドラ)
電車の中ずり広告には
芸能人のゴシップだなと
興味深く刺激的なキャッチで
書かれています。
日常では色々なうわさ話を
聞くことがあります。
言葉とは恐ろしいもので、
たとえ自分が経験していないこと、
ありえないようなことでも、
人から聞くと思わず
それを信じてしまうような
ところがあります。
「言葉」の不適切な使用から
生じる誤解のことを言います。
人々が集まる市場で、
誤ったうわさが流れることに例えて
こう呼ばれます。
例:うわさ話から、ありえないことを
本当だと思い込むこと
4、権威の思い込み(劇場のイドラ)
親や先生の言うことは正しい
と思っていませんか。
もちろん、正しいことを
言っている先生はたくさんいます。
尊敬できる先生、恩師と呼べるような
先生との出会いは人生の宝です。
でも、、
先生の言うことを
「偉い人が言っているから」
という理由で信じてはダメ
なんですよね。
僕たちは、
「偉い人」や「社会的に認められている人」
「テレビや新聞に出ている有名人」
などの話を、
つい鵜呑みにしてしまうところが
あります。
権威や伝統を無批判に受け入れ、
誤った教えであっても
信じてしまうことから生じる
偏見のことを言います。
劇場で演じられる芝居を、
本物と思い込んでしまうことに例えて
こう呼ばれます。
例:偉い人の言うことはすべて
正しいと思い込むこと
ベーコンが考える
4つの思い込みとは、
■人間のからだや脳のしくみなどからくる
「人間の思い込み」
■自分の考えはすべて正しいと
勘違いしてしまう
「個人の思い込み」
■周りの評判やうわさ話を鵜呑みにする
「言葉の思い込み」
■偉い人や有名な人の言うことを
信じてしまう
「権威の思い込み」
僕たち人間はどうしても、
これらの思い込みにとらわれて
しまうんです。
自分で気づかないうちに
たくさんの思い込みに
とらわれているんですよね。
これは人間を縛る、
鎖のようなものなんです。
では、
そうした思い込みの鎖を
断ち切るにはどうしたらいいか?
ベーコンの考えは
「観察と実験」でした。
ただ考えるだけでは、
思い込みの鎖に縛られて
しまいます。
もっと客観的に世界を眺めて、
思い込みではない、事実(データ)を
集めることです。
そして自分の考えを正解だと決めつけず、
何度となく実験してみる。
観察と実験をくり返すことで、
少しずつ真理に近づいていこう
ベーコンは、そう考えたんです。
いかがでしたでしょうか?
読者のあなたがいま感じている
「当たり前」「当然だよね」
「これって常識でしょ」
とはなんでしょうか?
もしかしたらそれは、
真っ赤なレンズのメガネを
かけて見ていることかもしれません。
思い込みにとらわれてしまうと、
世界を正しく眺めること
世の中のウソにだまされること
になってしまいます。
偏見や先入観なく
真理をみるためには
「観察と実験」
という客観的な視点を持つことが
大事だったんですね。
では、また!
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!
入山彰介の弟子チーム